育児

生後2か月の乳児を火傷させてしまった話。

今回は当時まだ生後2か月だった次男を火傷させてしまった話を備忘録として綴ります。

この記事を通して私が伝えたいのは、火傷はいつ、どの瞬間におこってもおかしくないという事。

そして私たち大人が気を付ければ被害を未然に、最小限に防ぐ事ができるという事です。

この記事を通して、私や次男のような経験をする人が少しでも減る事を願っています。

必ずこの後の注意書きを読んでいただき、理解された方のみこの記事を読みすすめるようお願いします。

  • この記事はあくまで備忘録です。「なんでこの治療をしなかったの?」といった治療内容、経過などの批評中称は控えてください。
  • 治療に専念してくださった病院、スタッフの方々に対する批評中称もお控えください。
  • 最後に治癒過程の写真を掲載しています。手前で注意書きはしてありますが、グロい写真が苦手な方は最後の項目は飛ばすか、そのままブログを閉じて頂くようお願いします。

火傷をおわせてしまった日

戻れるものなら戻りたいあの日。

火傷を負わせてしまった当日。私は少し風邪気味だった次男の鼻水をとるために鼻吸い器を使用していました。

当時、鼻吸い器を使用していた状況としては

  • 次男を横抱きしていた。
  • 寒かったのでファンヒーターを使用していた。
  • 次男にヒーターが直接当たらないように、私の体を背にしていた。

このような感じでした。

鼻吸い器を使用している間、次男は顔を真っ赤にして泣いていました。

初めて使用したので怖かったのかなとしか思わず、私の体からはみ出していた右足がヒーターに近すぎて火傷している事に気づかなかったのです。

気づいた時には右足のあちこちが水膨れになっていました。

慌てて洗面器に水を張り、足を冷やしながら近くの病院に連絡し、休憩時間中でしたが診てもらえる事に。

たまたま仕事が休みだった母に運転してもらい、転がり込むように病院にかけこみました。

ここから先の事はあまり覚えていません。

頭の中で思い浮かべたのは「予防接種、明日だったのに・・・」という事。

実は次男、生後2か月になったばかりで予防接種を翌日に控えていたのでした。

火傷と同時に気がかりだったのはロタワクチン

令和2年10月より任意→定期予防接種になったばかりのこのワクチンは、1回目を接種できる期間が非常に短いのです。詳細は下記の厚生労働省のHPにまとめられています。

厚生労働省HP「ロタワクチンに関するQ&A」

当然先生からは「やけどで免疫力が落ちてるから、しばらくは予防接種は受けれないよ」との説明が。

私の腕の中で火傷させてしまった。ロタワクチンが打てないかもしれない

沢山浮かんでくる後悔の念で、数日は次男を抱きかかえて泣く事しかできませんでした。

長男も私のただならぬ様子を見て、いつもは「抱っこ」とせがむのを我慢してひとり遊びをしてくれていました。

やけどの重症度について

火傷の重症度は、いくつかの段階に分類されます。

分類 症状
Ⅰ度熱傷 表皮のみの損傷。赤みがでたりヒリヒリ感がある。数日で治り、跡は残らない。
浅達性Ⅱ度熱傷 表皮基底層(真皮上層)までの損傷。痛みが激しく、皮膚の赤みがあり、水疱ができる。跡は残らない
深達性Ⅱ度熱傷 浅真皮深層までの損傷。発赤・水ぶくれ、びらん、浅い潰瘍などが起こる。痛みは軽度。水ぶくれの下の皮膚が白くなります。治癒には1か月以上かかり、跡が残る可能性が高い
Ⅲ度熱傷 皮下組織(皮膚の深い場所)までの損傷。痛みを感じる神経が死んでいるので痛みは感じない。肌の表面が壊死している可能性もあり、ケロイドになる可能性大。機能障害をおこすことも。

次男の火傷は初診の段階では浅達性~深達性Ⅱ度。ただ初診ですべての判断をする事は難しく、2週間ほどの治療経過をみて改めて詳細が分かるのだとか。

処置をするときに大泣きしていたのが心苦しかったですが、表にもあるとおり痛みを感じていなければ神経の損傷が大きい=重症度が上がるということ。

まだ痛みを泣く事でしか伝えられない次男の様子からして、痛みを激しく感じる浅達性Ⅱ度の範囲が広いのではないか、という見立てでした。

Ⅲ度熱傷となると大学病院への紹介が必要だけど、今回の火傷でⅢ度はないだろうという事で、駆け込んだ病院での通院生活が始まりました。

※大きな病院を希望すれば浸潤療法という新しい治療も受けれたかもしれません。

ただ通院距離と、なによりコロナウイルス感染を危惧してこちらでの通院を決めました。浸潤療法については沢山情報がありますので検索してみてください。

(掲載できるものがありませんでした。)

当時の私と、次男の生活

次男の清潔保持と、感染予防対策

病院から受けた説明・指示は以下の3点。

  • やけどは2週間ほど様子をみないと詳細が分からない
  • やけど部位は絶対に濡らしたりしない事
  • 処方された薬(抗生剤、ケロイド予防薬)を内服させること
  • 毎日通院・処置をうけること

やけどしたのは右足。ビニール袋などで保護したとしても絶対濡らさずに体を洗うなんて無理だと判断した私は、ペット用シーツを使用してベッド上で体を洗う事にしました。

ペット用シーツを使用したシャワー浴法をこちらの記事でまとめています。

(現在記事作成中。)

内服は薬局でスポイトを頂いたので、なるべく少ない量にして飲ませるようにしました。

また、次男がやけどを負って間もなく長男が40℃の熱発&嘔吐を繰り返すという試練が。

感染する病気かどうかの判断は難しかったですが、なるべく感染の可能性を避けるために部屋を別にし、対応する人を決めました。

私→長男(ママ!と離れたがらなかったため)

夫、母→次男

幸い感染するような病気ではなかったようで、家族にうつる事はありませんでした。

ただ私が長男の嘔吐物を処理したり飛沫を沢山浴びていたので、この期間の通院を夫にお願いしました。

次男のやけどは夫にも写真で見せていましたが、一番痛々しい時期のやけどを直で見てしまったため、この日以降夫はやけどの写真を見る事もありません。

とてもショックだったと思うので、私もこの日以降写真を見せる事をやめました。

夫も私を責めたい気持ちは沢山あったと思います。でも私を責めたてる事は1度もなく、

「関節部分の火傷がなくてよかった。」とだけ言われました。

※関節部分の火傷は、後に拘縮などの障害を起こす可能性があるからです。

間に合わなかった予防接種。

火傷をおって約1か月。小児科からロタワクチンの投与期間が近付いているとの事で、再度病院に確認。

やけどはかなり改善がみられたものの、一部深いところがあり(深達性Ⅱ度)「あと1週間様子を見ましょう」との事。焦る気持ちを抑えながら1週間待ちました。

1週間後、ようやく予防接種の許可がおり、毎日の通院が週1回に減りました。これからは家で毎日処置をすることに。病院を出た後に早速予約をしましたが・・・。なんとこの予防接種を受ける事になった当日に、RSウイルスに感染した事が分かったのです。

RSウイルスとは幼少期にほぼ100%かかる病気ですが、生後まもない乳児が感染すると重症化する可能性が高いというもの。

そのRSウイルスに次男が感染してしまい、入院となりました。

幸い重症化には至らず、入院5日目に退院する事ができました。しかし、退院したのはロタワクチンの投与が出来る最終日の前日

主治医にもダメ元で相談しましたが、「まだ病み上がりだから、すぐに予防接種というわけにはいかない」と診断を下されました。

 

そりゃそうですよね。でも間に合わなかった・・・。と落ち込む私に、看護師さんは「最近まで任意接種だったものだからね。ロタワクチンを接種しない選択をした親御さんも、この子と同級生の子で何人もいたから」と慰めてくれました。

ここまで読んで「ん?」と思う方もいるかもしれませんが、実は私も一応看護師です。

勉強もしましたし、処方された薬もどんな効果があるのかある程度把握しています。

でも患者さんとして接する場合と、我が子におきた事は頭でわかっていても心は追い付かず、まったくダメダメな母親。情けない次第です。

私がどんなに落ち込んでも、次男は前にすすんでいる

結局ロタワクチンを接種する事はできませんでしたが、先日ようやく初めての予防接種を打つことができました。

この1か月半、怒涛の展開で私の体重は7㌔減。メンタルもボロボロになりましたが、ふと思ったのです。

当のやけどを負った次男。この1か月半の間で私の顔を見ると笑顔になり、声をだすようになった。首がすわってきた。火傷も感染・悪化することなく治癒に向かっている。

そう。次男は成長しようと、どんどん先に進んでいるのです

それなのに、私が落ち込んでいてどうする、と。

どんな状況でも時は同じように過ぎていくのなら、前に進む方がいいですよね。

もしロタウイルスに感染してしまったら、その時は全力で私が看護する。その心意気で毎日を過ごしていくことにしました。

子どもの火傷を防ぐには

実は子どもの火傷は意外に多いのだとか。実際、私が通院していた期間に5、6人程の子どもと受診が重なりました。

子どものやけどの原因としては、次のようなものが多いといわれています。

  • ストーブやヒーター
  • ポット、ケトルのお湯
  • 味噌汁やスープ、カップ麺などの汁物
  • 花火で遊んでいた時に飛んできた火花
  • BBQ中、後始末など

現在コロナウイルスによる自粛生活の中で、BBQ花火を楽しむご家庭もたくさんあるのではないでしょうか?

花火の取り扱いに気を付けていても、火花が飛び散ってやけどする可能性もあります

また後処理で火傷する可能性もあるので、風向きに注意し、バケツを準備するなどしっかり配慮しましょう!

小さい子が花火をする時は必ず大人が付き添い、幼い子は大人と一緒に、遠くから花火を楽しむ程度にするといいですね。

他にもケトルや炊飯器の蒸気、スープなどはちょっと目を離したすきに触ってしまった、汁物に手を入れた、こぼした・・・。

考えただけでも色んなパターンが思い浮かびます。

ケトルは手の届かないところに置く汁物を配膳するときは目を離さない、子供に汁物を与える時は冷ましてからなど、大人が注意してあげる事が大切です。

次男の治療経過 ※閲覧注意

受傷初期

次男は現在週に1回の通院にまで減り、ようやく入浴許可がおりました。ここまでくるのに約1か月半かかりました。

ここからはやけどの治癒過程を写真で説明します。

※グロい写真が多々でてきますので、苦手な方はここでブログを閉じて頂くようお願いします。

↓↓↓↓↓

 

 

 

↓↓↓↓

 

 

 

↓↓↓

 

 

 

 

↓↓

 

 

 

 

 

次男の治癒過程の写真です。(看護師さんは手指消毒後に足を持っています)

左から順に10日目、15日目です。最初の頃は処置を見ることが出来なかったため写真はありません。

1枚めの写真の頃に、諸事情のため夫に連れて行ってもらっていました。

1番見た目が酷かった時でしたが、この翌日から黒くなった皮が剥げ始めて全貌が分かるようになり、上皮化が進んでいきました。

順に受傷28日目、31日目。

中央部分のやけどが深く、深達性Ⅱ度との診断を受けました。この部分は跡が残ると思われます。

指が黒い皮で覆われてる間はもし酷かったら・・・と不安でしたが、新しい皮膚ができ、爪もきちんと残っていました。

この頃から自宅での処置に切り替わりました。感染兆候もなくここまでこれたのでホッとしたのを覚えています。

受傷36日目、43日目、48日目の写真です。予防接種の許可が降り、RSウイルスに感染して入院した頃です。

周りの浅達性Ⅱ度の部分がかなり良くなったように感じますが、日によって赤みが出る時もあります。今後、長い時間をかけて元の肌色に近づいていきます。

その分、中央の深達性Ⅱ度の部分の赤みが目立ってきました。(写真の明かり等でも赤み具合が多少変わります)

現在の状態

8月になった現在、中央部分は肥厚性瘢痕という状態になっています。

・・・が、次男の寝返りとずりばいが激しく体を押さえながら処置をするので写真が掲載できず。

※ケロイドと肥厚性瘢痕の違いを簡単にまとめました。

肥厚性瘢痕 痛み、かゆみあり ケガ、火傷した範囲内で発症する
ケロイド 痛み、かゆみは肥厚性瘢痕より強い。正常な皮膚にまで病変が広がっていく 再発する事も多い

ケロイドと肥厚性瘢痕を判断するのは困難と言われています。今後増悪する可能性もありますが、今できる治療に専念しています。

現在軟膏で治療中ですが、今後ステロイドテープに切り替わる予定です。また機会があれば記事にしていきます。

子どもを火傷させてしまったあなたに伝えたい言葉

私はようやく、今回の経験を前向きにとらえることが出来るようになりましたが・・・もし今後私のような経験をしてしまった方に。

先日私が先生から言われた言葉を残しておきます。

「親がいつまでも悲しい顔をすると、子どもも悲しくて痛かった思い出を引きずることになる。『あの頃は大変だったよね、頑張ったね』と、思い出話にできるようにしていこうね。それも親であるあなたの役目。」

すぐにこのような考えになるのは難しいですが、治療をしていく中で少しずつ出来て行けばいいな、と思います。

私と同じような思いをする保護者、そして子供たちが減ることを願って。そして万が一同じように悩んだり、後悔して涙を流している方に届きますように。

最後までお読みいただきありがとうございました!

ABOUT ME
ふゆみ
心配性なアラサー主婦。近年増加傾向にある自然災害から家族・子どもを守るために、「とりこし苦労で構わない!」精神で防災対策を実践中。防災関連の資格取得が目標!2020年5月にサイト開設!Instagramでは日常や育児マンガを投稿中。
こちらの記事もおすすめ!