災害が起こった時にはまず命を守る事を優先しますが、その後の問題として取り上げられやすいのが「災害関連死」。
今回は、災害関連死の中でも上位に入る「肺炎」を防ぐための口腔ケアについてまとめました。
いざという時に覚えておくと便利ですし、大切な人の健康を守る事も出来ます!
是非、最後まで読んでみてくださいね。
- 口腔ケアの重要性について知りたい方
- 災害時の口腔ケアについて知りたい方
災害関連死って?

災害関連死とは、災害時に発生した建物の倒壊や火災、浸水と言った直接の被害による死ではなく、避難所で感染したり適切な治療・処置を受ける事ができずに死亡するといった間接的な死の事を指します。
災害関連死が発生する理由としては、主に以下の点が挙げられます。
- 病院の機能が麻痺してしまい、適切な治療・処置を受ける事ができない
- 十分な栄養・水分を摂取する事ができない
- 不衛生な環境になりがちで感染する可能性が上がる
- 車中泊や活動不足によりエコノミー症候群を発症する
特にエコノミー症候群は過去の震災で多くの方が発症されたため有名になりましたが、意外にも知られていないのが「肺炎」です。
災害関連死で常に上位の「肺炎」
過去に発生した震災でおこった災害関連死は、上位に肺炎がランクインしています。
肺炎の中でも特に「誤嚥性肺炎」が、全体の大半を占めているという結果が出ています。
なぜ災害時は「肺炎」を起こしやすいの?

ではまず、災害時に肺炎を起こしやすい理由を詳しく説明していきます。
①災害によって免疫力が落ちている

災害がおきると生活環境の質が落ちてしまい、ストレスや栄養不足、水分不足など様々な問題をひきおこします。
そうする事で免疫力が落ちてしまい、普段ならばかからないような病気にもかかりやすい状態になってしまうのです。
②水分摂取を控えてしまい口腔内が乾燥する

災害が発生すると飲食料が手に入り辛くなります。
そのため、「貴重な水分だからなるべく大事にしないと!」と自然と飲むのを控えるようになってしまいます。
口腔内が乾燥すると、自浄作用のある唾液が出にくくなるため次第に口腔内が汚染されていくのです。
③十分な口腔ケアができないために口の中が汚染される

また、災害がおこると優先順位が下がりがちなのが「口腔ケア」。
飲食料が手に入り辛い状況で水分を控え、口腔内が汚染された状態なのに手入れが出来なければ、状況は更に悪化してしまいます。
高齢者は入れ歯を着けっぱなしという状況になりやすく、菌が発生しやしくなります。
体力や免疫力低下による口腔機能の悪化も重なると状況は更に悪化します。
④汚染した口で食べ物を食べてしまう

最終的に、その汚染した状態の口で食べ物を食べてしまうと菌が体の中に入ってしまいます。
すると、最初の時点で免疫力が落ちている状態になっているため肺炎にかかりやすくなるのです。
肺炎以外にも、虫歯や歯周病といったリスクも上がります。

特に高齢者は、口腔機能の低下により食べ物が菌とともに気管や肺に入りやすくなります。
こうして誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなるのです。
覚えておきたい!災害時の口腔ケア&グッズ

では、「災害時でもこれだけはしておきたい!」という口腔ケアの方法や準備しておきたいグッズについて紹介していきます。
災害時の口腔ケア
①歯ブラシ+マウスウォッシュ

もし歯ブラシを持っている場合はいつも通りの歯磨きができますが、この時に注意したいのが「歯磨き粉を使用しない」という事です。
こんな声も聞こえてきそうですが、歯磨き粉を使った後は十分に口をすすぐ必要があります。
災害時の水は大変貴重なので、歯磨きの際に頻回に使う事をためらうでしょう。
そんな時、マウスウォッシュを少し口に含ませて歯磨きするとうがい用の水を使う頻度はぐっと減るはずです。
②口腔ウエットティッシュで口の中を拭く

災害時に備えて、口腔ケア用のウエットティッシュも販売されています。このような商品ならば、使い捨てなので衛生的ですね。
赤ちゃん、子ども用も販売されています。とても使いやすくて便利ですよ!
③清潔なハンカチ+水やお茶で口の中を拭く

もし歯ブラシやマウスウォッシュがない場合は、ハンカチとちょっとの水分があればウエットティッシュの代用として使う事ができます。
まだ歯が生えていない赤ちゃんや幼児にも有効です。
④入れ歯の方は洗浄道具も必要!

入れ歯を使用している方であれば洗浄グッズは必須です。
口腔内だけでなく入れ歯の乾燥も防がなければならないため、洗浄グッズとともに水の確保も必要となってきます。
- 入れ歯保管ケース
- 歯ブラシ
- ポリデントなどの洗浄具
- 水
万が一道具が足りない場合でも着けっぱなしにせず、こまめに外して汚れを拭ったり、うがいをして口の中の菌や食べカスを出してしまいましょう。
⑥こまめな水分摂取&うがい

何度も繰り返しますが、細菌を増やさないようにするには口の中を乾燥させない事が重要です。
こまめに水分を摂取し、うがいをしましょう。口の中が潤えば唾液も出やすくなります。
口腔ケアの頻度は朝、昼、夜、就寝前が理想ですが、困難な場合は就寝前に行うようにしましょう!
厚生労働省のHPでは、災害時の口腔ケアの方法の他に唾液を出しやすくするマッサージ法等も紹介されています。
(番外編)気分転換にもなる!キシリトールガム&タブレット

どうしても口腔ケアができる状況ではない場合もありますよね。
そんな時のために、ミント系のキシリトールガムやタブレットを普段から常備しておきましょう。口の中がすっきりして気分転換にもなりますよ。
中には子ども用のキシリトールタブレットも販売されています。誤飲の恐れがあるので、必ず大人が傍について、必要に応じて砕いて食べさせてあげてくださいね。
まとめ 口の清潔を保つ=命を守る!

災害時の口腔ケアが大切な事、方法やグッズについてまとめました。
家の備蓄、防災リュックに口腔ケアグッズは十分足りていますか?
もし足りない方は追加補充、歯ブラシがない場合のケアの方法を今のうちに実践してみてくださいね!
感染予防関連でこのような記事も書きましたので、ぜひご覧下さい。

最後までお読みいただきありがとうございました!
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