防災と合わせて対策・準備しておきたいのが感染予防。災害が発生すると、同時に様々な要因が重なり感染リスクも高くなります。
ここではそんな感染予防対策・グッズを紹介していきます。
- 感染予防対策ができていないと感じている方
- 感染グッズをこれから準備する方
- 感染リスクが高い方(高齢者・妊娠中の方など)
どうして災害が発生すると感染リスクが上がるの?

では、そもそも災害が発生すると何故感染リスクがあがってしまうのか?理由は大きく3点あります。
断水、停電などライフラインが遮断される2次災害の発生

地震などの災害が発生すると断水、停電といったライフラインが遮断される可能性が高いです。これらのライフラインが遮断されると、次のような問題が発生します。
①断水
- 入浴・手洗い・洗顔・歯磨きなど、体を清潔を保つことが出来ない
- 食器や調理器具を洗う事が出来ない
- 水洗トイレの使用ができず、汚物の処理問題が発生する
②停電
- 空調器具を使う事ができないため、体調を崩しやすくなり免疫力が落ちる
- 医療機関が停電している場合は普段どおりの診療・治療が困難となる
③ガスが使えなくなる
- お湯を沸かす事ができないため、入浴ができなくなる
- 料理が困難になる。温かい料理を食べる事ができない
避難所に人が集まる事による「密」の発生

災害が発生した場合、まず私たちがとる行動としては指定された避難所・避難場所や安全な場所に移動することでしょう。
すると、人が密集する事により飛沫感染、接触感染といった感染リスクが上がる事が問題となってきます。
主な感染経路としては次のような物があります。

- 飛沫感染:くしゃみや咳によって唾液等に含まれたウイルス・細菌が1m程度の範囲で空気中に舞い、感染させます。
- 空気感染:ウイルス・細菌が空気中に舞い、1mを超える範囲で感染させます。
- 接触感染:相手の体に触れたり、机やドア等の物を介してウイルス・細菌が付着し、その手で粘膜を触ったり食べ物を口にする事で感染させます。
- 経口感染:ウイルス・細菌に汚染された食べ物を口にしたり、手や調理器具が汚染された状態で調理された物を口にする等して感染します。
③支援物資の不足

避難所に行けば支援物資があるから大丈夫!と思っている方、それは大間違いです。
大勢の方が避難されるため支援物資は必ず不足します。また、他県からの支援物資が、最寄りの避難場所にすぐに届くとは限らないのです。
食料や感染予防グッズなど、自分たちが使う物は自分たちで備蓄しておく、というのはもはや鉄板となっています。
私たちが知っておくべき感染対策とは

「避難場所に行きさえすれば、とりあえず安心・・・。」と思っていた方は、たとえ避難先でも様々なリスクがある事がお判りいただけたでしょうか。
次に、今後災害が発生した時に私たちが覚えておきたい感染対策について紹介していきます。
①周りの方への配慮として必須!飛沫感染対策

人が集まる事によって飛沫感染などの感染リスクが格段にあがります。自分を守るだけでなく、他人に感染させないという最低限の配慮ですね。
この飛沫感染を予防するためには、マスクなどの飛沫を防ぐ道具が必要不可欠となります。もしマスクがない場合は、ハンカチやタオルで口を覆うなどして対処を。
マスクは、火災発生時に一酸化炭素を吸わないようにしたり、舞い上がる粉塵を吸い込まないようにするための対処法としても有効です。
②感染対策の基本と盲点!手指消毒の徹底と保湿

人が集まると、扉やテーブルなど様々な物にウイルスが付着している可能性があります。そのため、手指消毒も感染予防対策として重要。
水道が使える場合は手洗い+アルコール消毒が推奨されますが、ライフラインが遮断された場合は手洗いも困難となります。
アルコールジェルや除菌ウエットティッシュなどの消毒グッズを常備しておきましょう。
また盲点となるのが保湿。

頻回に手洗い・消毒を繰り返すと皮膚が乾燥し、手荒れを起こしてしまいます。手荒れにより出来てしまった傷からウイルスが侵入してしまうのです。
お気に入りのハンドクリームなどを使って、こまめに保湿してくださいね。
③口の中は清潔に!口腔ケアグッズを準備する

断水すると歯磨きが困難になり、口腔内の清潔を保つのが難しくなります。
そのため入れ歯の方は洗浄セットを準備するなど、それぞれに合った口腔ケアグッズを準備する必要があります。
ところで災害時に疎かになりがちな口腔ケアこそ、しっかり備えておく事が大切なのをご存知ですか?
災害関連死の上位に入る「肺炎」と口腔ケアには密接な関係があるのです!
詳しくはこちらの記事をどうぞ。

④現在では定番!ソーシャルディスタンスの確保
令和2年7月豪雨などの災害では、避難所での対策として検温やアルコール消毒の設置等がされてきました。
なかでも特に注目されたのはソーシャルディスタンスの確保です。
これまでの避難と違い、家族間で段ボールやビニールシートで仕切りを作ったり、避難受け入れ人数自体を減らすといった対処がされていました。

今後もこのような対策がとられると思われるため、状況によっては避難場所から断られるといった状況もでてくると予想されます。
もし自分の家が倒壊など危険性がない場合は自宅での避難、または知人や親せきの家にお世話になる分散避難などの対応が、今後も求められるのではないでしょうか。
備えておくべき感染予防グッズ

では、自分の身の安全を守るために必要な感染対策としてどのようなグッズが必要なのか?感染予防グッズを紹介していきます。
家の備蓄、そして防災リュックの中それぞれに常備しておきたいですね。
①マスク

感染予防として常備しておきたいのがマスクです。備蓄ポイントとしては以下のとおりです。
【大人2人、子ども2人の場合】
- 大人用、子供用など家族に合わせたサイズを各2箱ほど
- 防災リュックに家族×数日分
支援物資が遅れると想定し、1ヶ月分は備蓄でのりきれるようにしましょう。
②消毒&保湿グッズ

一言で消毒グッズといっても、ジェルタイプならば携帯用の持ち運びしやすい物もありますし、ウエットティッシュタイプは身の回りの物の消毒にも活躍します。
それぞれの用途に応じて準備しておくといいでしょう。
また、先ほど述べたように手荒れを防ぐための保湿グッズも忘れずに!
ところで消毒グッズとして、新型コロナウィルスにも効果があると“ダチョウの抗体で作られたスプレー”が販売されています。
「ガイアの夜明け」をはじめ、沢山のメディアて特集を組まれました。気になる方はこちらからどうぞ!

③ウエットティッシュ

お風呂に入れない時を想定し、大判のウエットティッシュを準備しておきましょう。拭うだけでも体がすっきりします。
育児中のママは、毎日よく使うおしり拭きが大活躍しますよ。頻繁に使うため沢山ストックしている、という方もいるのではないでしょうか?
ただしこの場合は、体拭き用とおしりふき用は別にして準備してください。
④マウスウォッシュ

マウスウォッシュは手軽に口腔内の清潔を保つ事が出来るので災害時には大変有効です。
様々なサイズが販売されているので、自宅には大容量の物を、防災リュックには携帯用のマウスウォッシュを常備しておくといいでしょう。
ただし、子どもの場合嫌がったり上手にうがいが出来ない可能性もあります。その場合はこのような商品もありますので、是非準備してみてください。
⑤トイレットペーパー、洗浄綿・携帯用ビデ

排泄時にはトイレットペーパーも必要ですが、ロールごと防災リュックに入れると場所をとりますよね。
この場合、数回分をたたんでセットしたトイレットペーパーを袋に入れておくとコンパクトになります。無駄遣いを減らす事もできますね。
また、特に女性はお風呂に入れない状況が続くと、デリケートゾーンのかぶれなどのトラブルが発生します。
そこで携帯用ビデや酒精綿を準備しておくことをおすすめします。
⑥体温計

体温計は避難所によっては常備しているところもあるかもしれません。しかし避難している大勢の人が使うことになるので、なるべく使いまわしは避けたいものですよね。
コロナウイルスに限らず、感染対策として症状の把握や定時的な体温測定といった体調管理も大切になってきます。
避難所のスタッフの方に頼らなくてもいいように、自分・家族専用の体温計を準備してお体調管理が出来るようにしておきましょう。
⑥紙皿、紙コップ、ラップ等の食器類、割りばし

災害時は食器類や調理器具を洗う事が困難なため、なるべく汚れない様にする工夫が必要となってきます。
そんな時に活躍するのが、ピクニックやバーベキューなどで使用する紙皿や紙コップです。
また、さまざまな用途があるとされ重宝されているのがラップです。
ラップがあれば、写真のように覆うことで洗いものを減らす事ができます。

まとめ

災害が発生した時、私たちが第一にすべきことは「命を守る事」です。
そのため、その後の避難生活はどうしても後にまわしがちですが、被災した後の事も見据えて対策をしておくと更に安心できますよね。
自分や命・そして健康を守るためにしっかり備えておきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!